自然が作り出す偶然美に、時々、感嘆させられます。
上の写真は、カワニナという巻貝が作った、葉脈だけになった木蓮の葉です。
カワニナという貝をご存じですか?
カワニナは、体長が1cmから2cm程度、ゲンジボタルの好物の細長い貝です。
お寺では、境内の南側にある循環式の小川を、蛍が棲める川にしたいとの思いから、現在、水質や周辺環境を整えているところで、その小川にカワニナが多く生息しています。
カワニナは、普段は石についた藻を食べています。
川に落ちた木の葉なども、好きなようで、最も好きな葉は、モクレン科の葉らしいです。
川の隣に偶然、木蓮があって、最近の冷え込みで葉が落ちました。
カワニナにとっては、まさに、好物が空から降ってきたような感じでしょうか。
一心不乱に枯れ葉を召し上がってらっしゃいます。
一つの葉に、15匹から20匹のカワニナが集まるのも、珍しくありません。
そんなこんなで、あっという間に、枯れ葉が葉脈だけになり、川底に多く沈んでいます。
食べ残しが、美しいとは、なかなか自然は粋なことをしてくれます。
住職は、木蓮以外の葉を川に沈めて、どの葉が好みなのかを探っているようです。
菩提樹の葉は、かなり人気なようです(住職調べ)。
副住職 樫本叡学