カワニナが作る葉脈標本(11月7日)

カワニナの葉脈標本

自然が作り出す偶然美に、時々、感嘆させられます。

上の写真は、カワニナという巻貝が作った、葉脈だけになった木蓮の葉です。

カワニナという貝をご存じですか?

カワニナは、体長が1cmから2cm程度、ゲンジボタルの好物の細長い貝です。

お寺では、境内の南側にある循環式の小川を、蛍が棲める川にしたいとの思いから、現在、水質や周辺環境を整えているところで、その小川にカワニナが多く生息しています。

カワニナは、普段は石についた藻を食べています。

川に落ちた木の葉なども、好きなようで、最も好きな葉は、モクレン科の葉らしいです。

川の隣に偶然、木蓮があって、最近の冷え込みで葉が落ちました。

カワニナにとっては、まさに、好物が空から降ってきたような感じでしょうか。

一心不乱に枯れ葉を召し上がってらっしゃいます。

一つの葉に、15匹から20匹のカワニナが集まるのも、珍しくありません。

そんなこんなで、あっという間に、枯れ葉が葉脈だけになり、川底に多く沈んでいます。

食べ残しが、美しいとは、なかなか自然は粋なことをしてくれます。

住職は、木蓮以外の葉を川に沈めて、どの葉が好みなのかを探っているようです。

菩提樹の葉は、かなり人気なようです(住職調べ)。

 

副住職 樫本叡学

カワニナが木蓮を食べている様子

カワニナが木蓮を食べている様子