散華とは
散華(さんげ)とは,法会の際に,花や葉を撒いて,その場を浄め,仏さまを供養することです。
仏さまが説法される時などに,天空から華が降ってくるという故事に由来します。
また,『摩訶般若波羅蜜経』という経典には,次のような散華の功徳が記されています。
「一華散虚空中念佛。乃至畢苦其福不盡。」
(一華を以て虚空中に散じ、仏を念ずれば、乃至苦畢りその福盡きず。)(巻第二十一、三慧品)
このことから,散華は幸せを招くと一般に言われています。
元来は,蓮などの生花を用いていましたが,今では主に蓮の花弁を模した紙散華が用いられるようになりました。
当寺の歓喜天大祭(お餅まき,例年1月16日)では,住職が境内に咲く四季の花などを描いた紙散華を使用しています。
法会の際に僧侶が撒いた散華は,ご自由にお持ち帰りください。
散華は,ご自宅で写真立てに飾ったり,しおりとしてお使いになったり,ご自由にお使いください。
(なお,当寺の散華は,歓喜天大祭などの法会で用いるもので,大判の美術散華ではありません。一般の方への販売は,行っておりません。)
散華集
この散華集では,月輪寺で用いる散華の一部がご覧になれます。
ここには掲載されておりませんが,毎年製作される新作の散華は,年始の歓喜天大祭(お餅まき)で使用されます。
※ クリックすると拡大されます。
散華の作者経歴
樫本智照(かしもとちしょう)
月輪寺名誉住職/璞社常任理事/日中友好自詠詩書交流展常任運営委員/元大阪府立大学非常勤講師
檀務の傍ら,月輪寺窯を開窯し,書を小坂奇石先生に,漢詩を進藤虚籟先生に,北派中国画を閻勝利先生に師事。号は桑牛,豚魚子。
著書に『弘法大師の書道』(密教文化研究所),『風花雪月(画,書)』(法蔵館)がある。
平成元年 第一回個展 フジギャラリー
平成4年 第二回個展 三越大阪店(詩と漢詩と焼き物と)
平成8年 第三回個展 三越大阪店(自然への憧憬)
平成12年 第四回個展 三越大阪店(移ろいゆく季節の中で)
平成17年 第五回個展 大丸心斎橋店(自然の恩沢を求めて)
平成21年 第六回個展 大丸心斎橋店(いのちの讃歌)
進藤虚籟(しんどうきょらい)
医学博士/戦後直後に新詩社「明星」に参加。次いで岡野直七郎の「蒼穹」に入門。同時に佐々木邦に英文学を学び,土屋竹雨に漢詩作法を習う。
著書は,歌集,漢詩集,随筆集など二十数巻あり,「皎」短歌会,「漢詩人」社を主宰。
閻勝利(えんしょうり)
北派中国画家/ハルビン大学工芸美術学部客員教授/中国美術家協会ハルピン分会理事/奈良そごう百貨店などで個展