平成最後の施餓鬼会(8月17日)

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昨日16日、施餓鬼会を厳修いたしました。
平成最後の施餓鬼会です。

日頃は、日々の積み重なりを感じたり、過去を顧みることは、あまりありません。
しかし、お盆の時期は、日頃の時間の感覚とは異なります。

お盆は、お正月と同じく、日本人の私たちにとって、大切なひとときです。

毎日同じように過ごしているように思っていても、「お盆」という軸で切り取ると、日々の積み重なりや時間の重みを感じます。

例えば、お盆の棚経に伺うと、檀家さんのお孫さんも一緒に隣りや後ろで手を合わせてくれることが多くあります。
遠隔地で暮らしていたり、普段の月参りの時間には学校があったりなどで、日頃はお会いしませんが、この時期には一緒にお勤めができます。
すると、幼稚園児だったお孫さんが、小学生になり、お経の間ずっと合掌できるようになっていたり、小学校低学年だったお孫さんが、中学生になり、しっかりとした受け答えをしてくれたりと、うれしい成長を感じることもあります。

それに加え、この時期には、過去を顧みると、広島や長崎への原爆投下、終戦など、忘れてはならないことも多くあります。

昭和のお盆、平成のお盆、そして来年のお盆。

自分が過ごす一日が積み重なると一年になり、その一年が積み重なって個人史になり、その個人個人の歴史が合わさって歴史になります。

平成も残すところあと8か月です。

お盆はご先祖供養の大切な時期ですが、それぞれの人にとっても、これからも節目として大切な時期であってほしいと思います。

お盆の時期に、過去を顧み、歴史を学び、未来を考える。

時代は変わっても、そういうお盆であってほしいと切に願います。


副住職 樫本叡学