近畿地方は、7月17日に梅雨明けしました。
平年よりも2日早く、昨年と比べると15日早いのだそうです。
月輪寺では、蝉の羽化がラッシュを迎えています。
夕方17時くらいから幼虫が土から出てきて、羽化する場所を探します。
羽化の場所が定まるのは、19時頃。
人気の場所があるようで、同じような場所で羽化します。
場所が決まると、背中が割れ、手足と上半身が出てきます。
そこで一旦停止。
手足が乾くまで、しばらく動きを止めます。
手足が乾くと、腹筋運動をするように一気に体を起こし、自分の抜け殻につかまり直し、下腹部を殻から一気に出します。
(↓下の画像をクリックしてください。蝉の脱皮の瞬間が見られます。)
そこから羽が広がり始め、色も徐々につき始めます。
写真は、クマゼミの羽化の様子です。
この日だけで、5匹のクマゼミの羽化を見ることができました。
お堂の前でも、めでたく一匹が羽化し、翌朝には飛び立っていました。
クマゼミで地中で過ごす期間は、4〜5年。
アブラゼミで、3〜4年。
ツクツクボウシで、1〜2年。
地中にいる期間が定まっていないのは、環境によって変わることと、まだ蝉の生態のすべてが解明されているわけではないことが関係しているそうです。
蝉の羽化は、約2時間。
それまでの地中の期間は約4年。
大人も子どもも、蝉の羽化に目を奪われるのは、羽化の一瞬にそれまでのすべてが秘められているからなのかもしれません。
住職 樫本叡学