今年も無事、16日の施餓鬼会及び人形供養会を終えることができました。
お盆の経木、法事の卒塔婆、初盆のやかたなどもすべてお焚き上げいたしました。
さて、今年は、終戦80年の節目の年です。
月輪寺では、節目の年の夏の寺報において、地域の戦争について、たびたび取り上げて参りました。
今年の夏号の寺報でも、檀家さんがご経験された戦争体験談「空の遺骨箱」を取り上げました。
また、今夏は、本堂や掲示板に地域の戦禍についてのポスターを掲示いたしました。
月輪寺がある陶器地区(旧東陶器村)では、199名の戦病死者がいらっしゃいます。
その方々のご芳名等が記された英霊過去帳やお位牌を今夏もご本尊前でお祀りしました。
情報にあふれる現代にあって、知らないといけない大切なこと、やらないといけない大切なことは、より一層見えにくくなっているように感じます。
SNSやウェブメディアにしても、テレビ・新聞にしても、いずれも広告媒体である以上、多くの人に「見てもらえる」情報のみが優先されてしまいます。
地域の戦禍を知る地域のお寺として、これからも地域の戦争について伝えて参りたいと思います。
今年も施餓鬼会の最後に、お集まりくださった皆さんも一緒に合掌礼拝をいたしました。
皆さんが帰られた後、お寺の次男坊も、一人で懸命に手を合わせておりました。
一心に祈る。
今も昔も大切なことだと感じます。
住職 樫本叡学