鐘の音色(2月11日)

DSC04001
三連休の最終日、雪のちらつく中、東京から梵鐘の音色を研究されている方が来寺されました。

この連休で、大阪近辺で江戸時代の梵鐘があるお寺を回っているとのことで、月輪寺にもお立ち寄りになりました。

研究されているテーマは、「梵鐘の音色と本尊との関連度」についてです。

音階というと、今では、ドレミファソラシドですが、中国起源の音階は五音です。
五行思想により、この五音と、東西南北と真ん中の五つの方角はひとつひとつ関連付けられます。
仏さんも、阿弥陀如来なら西、阿しゅく如来なら東というように方角(仏国土)が決まっています。

そのため、阿弥陀さんがご本尊のお寺なら阿弥陀さんの音色の鐘、観音さんがご本尊なら観音さんの音色の鐘になっているのではないかということを調べておられるそうです。

これまでの調査の中で、梵鐘に記されている銘文の中に、ご本尊に合わせて調律したことを記述したものも見つかっているとのことで、本当に楽しそうに研究の内容を教えて下さいました。

現代では、鐘を鋳造して、調律するには内側を削るそうですが、当時はそのような技術がないので、もう一度鋳造をし直し、試行錯誤を繰り返したのだろうとのことでした。

とても奥が深いテーマだと思います。
また研究成果を学会などで発表されるそうなので、また、このホームページなどでもお伝えできればと思います。

副住職 樫本叡学