重陽の節句(9月9日)

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本日は、重陽(ちょうよう)の節句です。

重陽の節句には、菊の花を用いて不老長寿を願うことから、菊の節句ともいわれます。

古来、中国の陰陽思想では、奇数は縁起の良い陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考えられてきました。

奇数が連なる日をお祝いしたのが五節句の始まりで、おめでたい反面、悪いことにも転じやすいと考え、お祝いとともに厄祓いもされてきました。

3月3日の「桃の節句」や、5月5日の「端午の節句」は馴染み深いですね。

中でも一番大きな陽数の9が重なる9月9日を、陽が重なると書いて「重陽の節句」とし、不老長寿や繁栄を願う行事が行われてきました。

しかしながら、旧暦9月9日(今の暦では、10月中旬)は、お米などの作物の収穫時期に重なり多忙であったこと、また、新暦になると9月9日が菊が咲く時期と少しずれていることなどから、次第に盛大には行われなくなりました。
そのため、重陽の節句という名前は聞いたことがあっても、「どんな風に過ごしたらいいの?」という方もいらっしゃると思います。

重陽の節句の食慣習としては、「おくんち(重陽の節句)に茄子を食べると中風(現在では脳卒中の意もあるようですが、古くは風邪をひくこと。)にならない」と言われていたり、栗ご飯を食べる習わしがあったようです。
また、冷酒に菊の花びらを浮かべていただく菊酒も風情があって素敵ですね。

まだまだコロナウィルス感染が心配な日々ですが、こうした節句には、少し先人の知恵を借りて、何かを願ったり、大事な人を思って、気持ちを落ち着かせて過ごしたいですね。

お寺でも、菊を飾り、皆様の健康と長寿をお祈りしたいと思います。
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雨寶山 月輪寺