桃と桜(4月5日)

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境内では、ちょうど桃と桜がきれいに咲いています。

枝垂れ桜も、ちらほら咲き始めています。

梅から始まり、桃、桜と、春は境内が華やかになります。

同じような時期に、ピンク(紅白)の花が咲き、美味しい実がなる梅、桃、桜ですが、花びらの形と木肌の質感などで見分けるのが一般的でしょうか。

 

日本人は、ものごとをじっと見つめて、その本質を捉えることが得意だと言われています(※)。

日本文化の中には、自然をじっと観察したからこそできるものが多いように感じます。

俳句、家紋、和食、日本建築なども、自然に対する観察眼があるからこそできたものでしょう。

 

家紋を見てみましょう。

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左から順に、梅、桃、桜の家紋の一例です。

梅の家紋は花びらが丸型、桜は花びらに切れ込みが入っています。

花びらの形の違いも、家紋に表れています。

それだけではありません。

桃は、花ではなく、実が描かれています。

梅と桜の本質的価値の象徴は花であり、桃の本質的価値は実にあるということでしょうか。

家紋だけとっても、先人の自然を見る眼差しに触れられるような気がします。

 

最後に、今、境内で咲いている桃と桜の写真を掲載したいと思います。

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ちなみに、一番最初(左上)だけ桃です。

 

副住職 樫本叡学

(※ 参照文献;李御寧(2007)「縮み」志向の日本人 講談社学術文庫)