冒頭の写真は、月輪寺の今年のイチョウの黄葉です。
大小さまざまで、特に深い切れ込みがあるものが目立ちます。
切れ込みがある葉が雄、切れ込みのない葉が雌なんて言いますが、それは俗説に過ぎません。
実際に、お寺の生駒堂横のイチョウは雌木ですが、どちらの葉もあります。
それにしても、今年は、切れ込みが深く、あまりにも大きい化け物のような葉が目立ちます。
右が通常のサイズ。
並べてみると、大きいことが分かります。
500mlのペットボトルと同じくらいのサイズです。
調べてみると、大きすぎる葉は、剪定と関係があるようです。
今年初めに、台風の影響を受けないように、イチョウの枝を大きく剪定してもらいました。
剪定されるとその分失ったエネルギーを補うために、光合成を増やす必要があります。
そのため、イチョウは、太陽の光をいっぱい受けようと葉を大きくするようです。
でも、大きな葉は風の抵抗を受けやすく、風で葉が取れてしまう危険性も高くなってしまいます。
葉が取れてしまうと、せっかくの大きな葉も役に立ちません。
そのため、大きい葉が風の抵抗を少しでも受けないようにと、葉に切れ込みが深く入るそうです。
通常サイズの葉とお化けのような大きな葉は、触り心地も違います。
通常の葉は、柔らかく、すべすべしていますが、お化けのような葉は、分厚くガサガサしています。
枝と付いていた葉の柄の先も、木と一体になっていたのか、とても硬くなっています。
イチョウの葉を見ると、イチョウの生命力や生き残りをかけた工夫を感じます。
副住職 樫本叡学
雨寶山月輪寺は,堺市にある、行基菩薩が開基したとされる高野山真言宗の寺院です。